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2014年6月17日火曜日

糖尿病患者の3人に2人は心疾患により死亡

ケアネットニュース 急性心筋梗塞で入院する患者では、10人に1人の割合で未診断の糖尿病が見つかることが、米Saint Luke's中部アメリカ心臓研究所および米ミズーリ大学(カンザスシティ)のSuzanne Arnold准教授らの検討でわかった。  同氏はAHAニュースリリースで、「糖尿病が心疾患に与える影響を鑑みれば、心筋梗塞患者における糖尿病の診断は重要だ。早期診断・早期治療は、食事や減量、生活習慣の変更を介した心血管疾患合併予防を可能にする。心筋梗塞発症前から糖尿病がわかっていればそれに応じた治療方針を導けるという点でも、糖尿病診断は重要なことだ」と述べている。  研究では、全米24医療機関で急性心筋梗塞のため入院治療を受けた患者のうち、心筋梗塞発症前に糖尿病の診断履歴がなかった2,800例以上について、入院施設とは別の研究所で血糖値やHbA1c値を評価し、分析した。HbA1c値は、過去2~3カ月の血糖レベルを把握するのに標準的な指標だ。  その結果、対象のおよそ10%に糖尿病と判定される状態が確認された。しかしそれらのうち、各入院施設退院時に糖尿病教育を受けたり、糖尿病治療薬が投与されたりした患者は3分の1以下だった。  また、研究所での評価では糖尿病と判定されたが、心筋梗塞の治療を行った施設の医師が糖尿病と診断できていなかったケースは69%にのぼった。入院治療中にHbA1c値が測定されていたケースでは糖尿病と診断できる率が17倍以上高く、血糖値が高ければ高いほど診断率も高くなっていた。  退院後6カ月時点での糖尿病治療状況についても分析したところ、心筋梗塞による入院中に糖尿病と診断されなかった患者で、退院後に糖尿病治療が開始されている率は7%未満だった。しかし、心筋梗塞による入院中に糖尿病と診断された患者では、71%で糖尿病治療が開始されていた。  同研究結果は、6月初旬にボルティモアで開かれた米国心臓協会(AHA)の学術会議で発表された。発表内容は、ピアレビューを経た雑誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。  AHAは、糖尿病患者の3人に2人は心疾患により死亡しているとしている。 [2014年6月3日